Canon EOS IXE APSフィルム対応の一眼レフカメラ。
当ブログで何度か取り上げた、Canon EOS M3、Canon EOS M5 は、APS-Cセンサー搭載のミラーレスカメラである。
・・・ふと、疑問に思った。
「APS-Cって何?」
そんな疑問から、中古でこのようなカメラを買ってしまったんだ。
Canon EOS IX E。
1996年10月発売の、APSフィルム対応の一眼レフカメラである。
「APS」は「Advanced Photo System(アドバンストフォトシステム)」の略で、富士フイルム、イーストマンコダック、キヤノン、ミノルタ、ニコンによって共同で開発、1996年4月に販売が開始された「世界標準規格の新しい写真システム」。
「APS」は写真フィルムの名称ではない。フィルムは、新規格の専用フィルム IX240 を使用。
規格名の「IX」は「Information Exchange」の略。
デジタルカメラのExifのように、撮影時の設定、日付・時間、プリントサイズ・枚数指定、コメントなどをフイルムにコーティングされた磁気面に記録し、プリント時に利用できる。
240はフィルム幅の24mmに由来する。
・・・とのこと。
さらに調べていくと、諸般の事情で全然普及しなかった写真システムで、フィルムの製造も2011年に終わり、「事実上終焉を迎えた規格」だということが分かったんだけど、悲しくなるからこのへんでやめておこう。苦笑
「外装には高級感ある特殊ステンレス合金製カバーを多用、マウントと同心円状に表現した斬新にして未来派を思わせるデザインは秀逸。」という、キヤノンさんのお言葉。
[参考]: EOS IX E - キヤノンカメラミュージアム
たしかに、カッコイイのである。
1990年代当時思い描いていた未来型って、こんな感じだったのを覚えている。
一コマの露光面積は16.7×30.2mm(9:16)。
なんだけど、カメラ側の設定でプリントサイズを決めることができる。
- Hサイズ(ハイビジョン / 9:16)
基本となる画面サイズ。
撮影設定に関わらずフィルム面にはこのサイズで露光される。
プリント時には従来のL判と縦は同じで横幅が広くなる。
撮影画角は、使用レンズ焦点距離×1.25。 - Cサイズ(クラシック / 2:3)
Hサイズの左右をトリミングしたサイズ。
従来の35mmフィルムと同じ画面比率で、プリントも同じL判のサイズ。
撮影画角は、使用レンズ焦点距離×1.4。 - Pサイズ(パノラマ / 1:3)
Hサイズの上下をトリミングしたサイズ。
従来の35mmパノラマ判と同じ。
撮影画角は、使用レンズ焦点距離×1.25。
つまりデジカメのAPS-Cセンサーは、上記Cサイズに由来しているということになるのかな。
厳密に全く同じサイズではないけどね。
絞り、シャッタースピード等基本的な設定・使い方はEOS一眼レフの操作を踏襲しているけど、ダイヤルの位置、形状がユニークだね。
当時のカメラでシャッタースピード1/4000秒まで対応してるって、なかなかスゴイかも。
ストラップホールの位置だけはいただけないな。
何故この位置にしたんだろうか!?
ストラップを取り付けると、すごく操作しにくい。
ストロボも内蔵。
I+Iの形に配列されたマルチBASIS型AFセンサーを使用、フォーカスポイントの1つを見つめるだけでピントが合う視線入力AFを搭載(任意手動選択も可能)。
電池は、CR123Aを2個使用。
フィルム装填はワンタッチ。
種類の異なるフィルム入りカートリッジを、1コマのロスもなく任意に途中交換できる機能を備えている。
磁気IX(情報入出力)機能と併せて、アドバンストフォトシステムの最たる特徴だね。
さて、上で書いた「事実上終焉を迎えた規格」についてだけど、今日ではカメラは当然中古品、フィルムも使用期限切れのモノしか手に入らない。
けど、現像はまだ対応しているお店も多いんだよね。
そんなワケで、撮影・現像結果は次回に続きます。;)